- 逗子の高級住宅街「披露山庭園住宅」ってどのくらい凄いの?
- 独自の建築ルールを知りたい。
- 3つの地区の違いを知りたい。
こういった疑問に答えます。
一言でいって、「披露山庭園住宅」は逗子の披露山という丘にある超高級住宅街です。
また、景観を保つため、独自の建築協定があり、住宅地内は3つの地区に分かれています。
今回は、逗子の高級住宅街「披露山庭園住宅」がどれだけ凄いところかを建ぺい・容積率を元にわかりやすく説明します。
また、「A・B・C」の3つの地区の違いについても解説しています。
本記事を読むだけで、披露山庭園住宅についてかなり詳しくなれます。
どうぞ、ご覧ください。
逗子の高級住宅街「披露山庭園住宅」とは?
「披露山庭園住宅」とは、1968年、逗子市小坪三丁目にTBS不動産が企画開発で造成した合計215区画の高級住宅街。
「披露山」という小高い丘に位置しており、披露山公園と大崎公園に隣接しています。
見晴らしは抜群です。
また、披露山庭園住宅内のメインストリートは幅員12mとかなり広く、大きな庭と建物が目立ちます。
その見た目からも、日本のビバリーヒルズなどと呼ばれています。
住んでいる芸能人
「披露山庭園住宅」は多くの芸能人や有名人などからも人気で、自宅や別荘として利用しています。
例えば有名芸能人で言えば以下の方々。
- 小田和正さん
- 松任谷由実さん
- 反町隆史さん、松嶋菜々子さん夫婦
披露山庭園住宅はとにかく景観を重視
披露山庭園住宅は高級住宅街という価値を保つためにとにかく「景観」を重視しています。
例えば、独自の建築協定を設けて見栄えの悪い建物が建たないようにしたり、水道、ガス管はもちろん、電線を地中に埋めるなどです。
そのため、披露山庭園住宅内には電柱がありません。
披露山庭園住宅の独自の建築基準がかなり厳しい
これらの厳しいルールは「逗子披露山庭園住宅地区建築協定書」に記載されています。
新築だけでなく改築の際も、このルールブックに基づいて「披露山庭園住宅管理組合」が厳しく審査した上で建築の許可を出します。
基本概念としては、高級住宅街としての「美観」を保つことを目的にされています。
例えば以下の項目が基準に合っているか見られます。
- 建物の高さ:8m以内
- 建ぺい率:20%〜40%←かなり低い
- 容積率:60%
- 区画:分割することができない
- メイン道路から建物の距離:5m以上離す
- 外壁:色や素材のチェック
- 物置やガレージの設置:景観や配置位置のチェック
- 門の新設:景観や高さのチェック
- アンテナ:見えない位置に付ける
など、ざっと挙げるだけでこんなに厳しいルールがあります。
で、これらの情報を見ただけでは「披露山庭園住宅」と聞くと「ああ。逗子の高級住宅街ね。」と、ひとくくりに認識されがちですが、実は「披露山庭園住宅」の中にも3つのランクがあります。
披露山庭園住宅は3つの地区に分かれる
披露山庭園住宅は以下のように全体で215区画の土地があり、大きく分けて「A・B・C」の3地区に分類されます。
結論から言えば、ランクの高さはA>B>Cの順になります。
理由は以下の通り。
- 土地の広さの違い
- 建ぺい率・容積率の違い
- 眺めや日当たりの違い
一つずつ見ていきます。
土地の広さの違い
ルールとしては以下のように各区画の大体の面積が決まっており、なおかつ分割することができません。
- A地区:約1,000㎡以上
- B地区:約1,000㎡以上
- C地区:約500㎡以上
つまり、決められた面積より下回らないしくみになっています。
各区画を見ると、A地区とB地区は1区画約1,000㎡以上とC地区の2倍であります。
そのため、そこに住むには単純に2倍の金額を支払う必要があります。
建ぺい率・容積率の違い
次にA>B>Cの順で建てられる建物の決まりが厳しくなります。
具体的に言うと、建てられる建物のサイズはその地域によって建築基準法であらかじめ決められています。
その一つの指標として、「建ぺい率・容積率」という値があります。
簡単に説明すると
- 建ぺい率:土地の面積に対する1階の床面積の割合
- 容積率:土地の面積に対する全ての階の床面積の割合
ちょっと難しいですよね。
例えば、建ぺい率50%、容積率100%で100㎡の土地があったとすると、MAXで建てられるのは1階、2階の床面積が各50㎡の建物ということになります。
これを頭に入れたうえで以下の地図を見てください。
丸の中に数字が2段書かれています。
下段が建ぺい率、上段が容積率です。
つまり、「A・B・C」それぞれの地区の建ぺい・容積率は以下のようになります。
- A地区:建ぺい率20%、容積率60%
- B地区:建ぺい率40%、容積率60%
- C地区:建ぺい率40%、容積率100%
これを先程の土地の面積に当てはめて計算すると、一階部分の床面積は以下のようになります。
- A地区:土地面積約1,000㎡×建ぺい率20%=約200㎡
- B地区:土地面積約1,000㎡×建ぺい率40%=約400㎡
- C地区:土地面積約500㎡×建ぺい率40%=約200㎡
広い土地に一階部分が約200㎡の建物しか建てられないA地区は最もゆとりある、「贅沢」な建て方しかできないと言えます。
建物が200㎡、庭が800㎡とかなり余裕があります。
一方、B地区は建物が400㎡、庭が600㎡とA地区に比べて密集した感じになります。
そして、C地区は建物が200㎡に対して庭が300㎡とさらに密集した感じになります。
これらを逗子マリーナがある地域の建ぺい率60%、容積率200%と比べると、披露山庭園住宅の建ぺい・容積率がいかに低いかがわかります。
披露山庭園住宅は3階は建てられない
余談ですが、A地区は「容積率が60%ということは3階まで建てられるのか!」とお思いかもしれませんが、結論は建てられません。
なぜなら、建物の高さは8m以下でないといけない決まりがあるからです。
そのため、地下を入れて容積率60%ということになります。
ただし、半地下のように道路から見て3階建てのように見える建物はNGだそうです。
また、ガレージや倉庫など屋根がある建物も建ぺい率、容積率の計算に含められるため注意が必要です。
眺めや日当たりの違い
最後は単純にA地区が一番眺めも日当たりもいいです。
披露山庭園住宅は入り口からなだらかな下り坂になっています。
そして、A地区に関しては「海かつ南向きのひな壇」になっているため眺めや日当たりは最高にいいです。
江ノ島も望めるそうです。
一方、B地区やC地区は少し内陸に入るため、A地区と比べると見劣りします。
そのため、A地区は披露山庭園住宅の中で最も贅沢で価値のある区画と言えます。
こちらは、A地区にある売り物件から見た動画です。(物件が売れたら動画は削除されるかもしれません)
逗子の高級住宅街「披露山庭園住宅」は建築協定があるから価値がある:まとめ
逗子市がほこる高級住宅街「披露山庭園住宅」は独自の建築協定を設けているからこそ、価値を維持できているのです。
3つの地区を作り、各地区で異なる「建ぺい・容積率」など建築基準を設定することで、ランクをコントロールしているのです。
これらをまとめるとこんな感じ。
地区名 | A地区 | B地区 | C地区 |
---|---|---|---|
土地の面積 | 約1000㎡以上 | 約1000㎡以上 | 約500㎡以上 |
建ぺい率 | 20% | 40% | 40% |
容積率 | 60% | 60% | 100% |
見晴らし・日当たり | 良い | 普通 | そこそこ |
人気度 | ★★★ | ★★ | ★ |
なお、もし披露山公園に言った際は、大崎公園に行くという名目で「披露山庭園住宅」がどんなものか見てみてください。
披露山公園までは少し歩きますが、「葉山女子旅きっぷ」のバスフリー範囲内です。(最寄りバス停:披露山入口)
披露山公園までの詳しい行き方はこちらの記事「「葉山女子旅きっぷ」のおすすめルート・コース紹介」で解説しています。